それぞれの食性

生物にはそれぞれ食性があります。
食べる物が少ない環境下に適応した生物が雑食性の生き物たちです。我々人間やカラスなどしたたかな生き物が多い気がするのは私だけでしょうか?
人間は生物学的にも雑食性であり、ヴィーガンはあくまで思想の一つです。
牛は草食動物です。これは揺るがない事実です。肉骨粉で狂牛病になった事件は鮮明に覚えています。
本来の食性を無視した物を長期的に食べ続ける事は死を近づける行為となります。
雑食性は植物性も動物性もいける口ですが、食べられる物は限定的で幅広くはありません。人間も牛のように草を食べられませんし、食べられる物もあれば加工しなければ食べられない物もあります。消化ができない油脂も存在します。食物繊維が多すぎてもダメだし、少なすぎても健康的とは言えません。それが雑食性の特徴です。

私たちが飼っている金魚やメダカ、エビも雑食性ですがいずれも消化管がそれなりの長さがあり植物性傾向があります。メダカの消化管を調べると主に食べているのが植物性プランクトンである事が分かっています。青水で育てると生存率が上がるのはエサが豊富であるからです。その他にもミジンコやワムシ、小さな昆虫類なども食べます。メダカは魚食性ではありません。稚魚を食べる事は稀にありますがそもそもメダカが食せる魚類はほぼいません。なのに、巷で使用されているエサの多くは同族である魚粉が中心です。寿命が短くサイクルが早い生き物程次世代へ継ぐ遺伝の異常は早くに蓄積されていきます。
金魚を見ると琉金のようなショートボディのタイプは非常に弱く、水温が下がっただけでひっくり返ったり、原因不明で死ぬ事が度々見受けられます。奇形を良しとした交配、食性を無視した長期における育成による弊害は人の目には写りません。その時に見えない事象には問題が無いと判断するのが人です。原種に近いものは自然でも生きていく事例もありますが弱い魚たちは人の手でしか生きていけません。人が与える物で生きていくしか手がありません。人もまた知能が低い下等生物に対する扱いがぞんざいになる傾向があります。犬猫は大事にするのに。

雑食性である金魚・メダカ・エビも決して例外ではありません。きちんと食性に見合う食物を与える事は大事です。単一食物で生きてはいけても、それが良い結果をもたらす確証はほぼ無いに等しいのですから。

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