新「めだか御膳」

 生物の食性を語るうえで臓器など体内の特徴から判断する事も大事です。野生のメダカは消化管もそれほど短くもなく、むしろ少し長い部類です。幽門垂はメダカ科にはありません。臓物から見ると特に動物性に偏りがあるわけではなく、どちらかというと植物性傾向のような微妙なラインの雑食性と言えます。ただし、自然下でのメダカと飼育下でのメダカでの食性はかなり違い地域差、生産者の給餌にも相当影響がある事と思います。
 植物性プランクトンは増えやすく、少し放置するだけでも青水になります。植物性に比べ比較的少ない動物性プランクトンやミジンコなど成長の上で重要となってきます。稚魚期には稚魚期の食物、成魚期には成魚にふさわしい食物の選択が必要となります。
 

上記画像はめだかの鰓弓です。見ての通り、鰓耙が少なく隙間も多い事から細かな微生物を好んでいるような構造ではありません。例えるなら微生物を好むハクレン型ではなくウグイに近い雑食性とも言えます。
 
 リニューアルしました「めだか御膳」の特徴を説明します。
 旧製品は少量配合ではございますが魚粉を使用しておりました。新めだか御膳は魚粉を使用せずオキアミやエビなどの甲殻類ミールを主原料として配合、又、乳酸菌・納豆菌、酵母、発酵植物性蛋白の配合により腸内環境を整え、ストレス耐性と豊富なキチン質による免疫賦活作用を考慮し丈夫な体質作りを体内から考えるフードです。
 本来フィッシュイーターではないメダカに同属である魚類を食べる機会は非常に少なく動植物性プランクトンが重要な食物となります。その中でも植物性プランクトンは非常に増えやすく多く存在します。比較的少ない動物性プランクトンをうまく供給する事が重要です。「めだか御膳」はオキアミ・エビを主原料とし、それら動物性プランクトンをイメージしたフードともいえます。又、使用している菌はすべて死菌を配合しています。これは未知な菌種を与えるのではなく本来メダカが持つ自然な腸内細菌を育てる事で強い体質を作る事にあります。本来持たない菌種を与える事で在来菌種がどうなっているか?死に絶えている恐れすらあり、その後の経過がどうなっているのかまで調べられれていないのが現状です。
 新めだか御膳はより自然に近い食性に基づき、腸内フローラのバランスを改善、メダカがより健康に強い体質づくりを目的としたフードと言えます。

 大事なのはバランスであり偏った食生活はメダカだってよろしくはありません。ちなみにめだか御膳のたんぱく質は40%以上、前回の記事「餌におけるたんぱく質の要求量」でも書きましたが成魚に高たんぱく飼料はさほど必要としません。本来なら30%前後でも十分です。めだか御膳は成魚用フードとなります。針子などの稚魚には「レフィッシュベビー」をご利用ください。粒が大きい場合は潰して与えてください。
 今回は20g入りのボトルと80g袋入りの二種類をリリースします。飼育数が多い場合は80g入りをお勧めします。又、業務用の販売も計画していました。水産飼料に負けない価格帯で販売できればと考えています。より広くご利用いただけるよう製品版もお求めやすい価格へ改定させていただきました。つきましては取扱店にてお求めくださいますようお願い申し上げます。

 より自然を求める飼育方法という前提でお話させていただくと。めだかは植物性6:動物性4ほどが自然に近い食性であると考えられます。もちろん人の手で飼育されためだかに当てはめる必要はありませんが本来はそれに近いものと考えられます。野生の食性からいうと現在の餌は当てはまる物ではありません。水産飼料はほぼ9割が動物性(魚粉多用)だからです。ちなみに、「めだか御膳」は植物性5:動物性4:その他1とより自然の食性に近いフードです。
 外飼いの場合青水になる事が多く、むしろ飼育水を青水にする事を望みます。この環境であれば植物性プランクトンが豊富にあり動物性飼料でも給餌の増減で野生の食性に近づける事は可能です。しかし、室内飼いだと太陽光が当たりづらく青水にすることも難しい場合があります。この状態で生産者が売っているエサを与え続ける事は決して良い傾向ではありません。めだかを売った先がどういった環境で飼育をするのか?そこまで考えたフォローができている所は非常に少ないと思われます。

 観賞魚において自然の食性から離れた飼育をすることは悪くはありませんがめだかが弱っているなど状態によっては自然の食性に近づけた方が良く、体の負担を減らす事で長く飼育をおこなう秘訣と言えます。特に室内での水槽飼育の場合、屋外飼育とは違うコツがいります。強いエアレーションは必要ありません。投げ込みフィルターなどもエアーを弱めに、ろ過無しの場合は油膜に気を付けます。めだかは非常に憶病な生き物です。可能なら観察面以外の水槽周りを黒いバックスクリーンで覆うとストレスの軽減になります。屋外飼育ならろ過無し、基本放置でも増えてしまうくらい簡単にいきますが室内飼いとなると少々難しい部分があります。
 「めだかとカダヤシの種間関係」という高校生が書いた研究結果があります。この中でめだかの食性に関して非常に良くまとめられている内容が書いてあります。ご興味のある方は読んでみてはいかがでしょう?

 最後にエサを変える際の注意点です。金魚やメダカなど魚類は与えられた物で自らを維持させるよう体をエサに合わせます。同じエサを長く与えてきた場合、エサを変えると食べ物として認識しません。例えばですが私の飼っている金魚に冷凍赤虫を与えても食べません。今まで与えてこなかった為に食べ物として認識していないからです。その為、エサを変えると食べない事が多々ありますがそれは一般的な事でエサとして認識させる時間が必要となります。エサを変える際は必ず必要な作業ですので「全然食わね~じゃん!」と思われるかもしれませんがある程度慣れさせるよう給餌を行ってください。似たような配合でない限り大体そうなります。

 長くなってしまいましたが前述した内容から与えるエサも考慮したものを選択する必要があり、一概におとひめなどの水産飼料だけで十分だというのは決して正しいとは言えません。観賞という意味で正解はありませんが自然食性という観点から言えば現在の餌の選択は正解からかけ離れています。それをどう捉えるのかは皆さん次第です。

上記内容から新「めだか御膳」にご興味をお持ちいただけましたらお近くの取扱店にてご購入宜しくお願い申し上げます。

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