バクテリアその2

 前々回の記事にて簡単にバクテリア剤について説明しました。簡単になので厳密には言い回しが違う部分もあるかと思いますがこの分野は非常に複雑で難しく、更に情報が日々変わっていきますのであくまで現時点での内容です。
 バクテリアは海洋に存在するもの、主に土壌に生息するもの、そして淡水で活動するものと大きく分かれます。例えば有名なニトロバクター ウィノグラドスキイは主に土壌や湖底に生息し活動しています。残念ながら水槽内では活動していなかった事は以前にも述べました。
 水槽に入れたバクテリアが水槽内で定着してくれればなんら問題はありません。しかし、水槽内では定着しない菌種を使用して「アンモニアが無くなった!亜硝酸が消えた!」となっても、その後の仕事は誰がやるのか?一日で辞める派遣社員を毎日投入するのか?派遣に給料取られて社員が定着してくれるのか?という話になります。
 効果さえあればそれでいい事にはならず水替えしたのと何も変わらない結果です。結局微生物が増えるエサを投入しているにすぎず、我々が必要とするバクテリアを時間を掛けて増やしていることに実は変わりません。途中に作業を一つ追加しているとでも言いましょうか、その作業はする人もいればしない人もいる、ただそれだけです。
 それらを製品化する上で納豆菌のたぐいを使用する選択は非常に”楽”であり効果が見えやすいとも言えます。インフゾリアを湧かす為に藁を入れるのはまさにこれと同じことと言えるでしょう。自然の流れの初期を投入する事につながります。微生物つながりでいうと粉物の代表格である「ムックリワーク」にはカニ殻が含まれます。これはキチンをエサとして放線菌を増やし、病原菌となる糸状菌を抑制させる効果があるとされています。錦鯉の野池で使用する事を考慮した製品であり水槽にカニ殻を入れる必要性は無いかと思われます。狭い環境ではバランスが大事でありそれを崩しかねない物はできるだけ排除すべきでしょう。逆に病原菌を活性化させる事になるやもしれません。

 バクテリア剤の製造は個人でやるには相当知識や資材が必要です。大概は出来合いの物を詰め替えて販売されています。例えばどういった物が利用されているかというと浄化槽・排水口・産業排水に関わる資材など、微生物その物や活性させる物など粉物から液体まで様々存在します。興味のある方は検索してみてはいかがでしょう。粉物のバクテリアなど大体この手の物に多いです。何が入っているか書いたところで誰も調べる人はいません。それらしく書いてしまえばそれまでです。エサでも同じような物でアワビ飼料詰め替えの餌にほうれん草は含まれませんが原料名に記載されていたりします。それを調べるには相当な費用がかかり、まぶしてあれば検出されますから嘘にはなりません。中を知ればこの程度です。だからこそ信用できるメーカーなのか、信用できる人間なのかが重要となります。

 水槽環境は常に何を足したのかが重要になります。一度入れてしまうとリセットしても残ってしまう場合すらあります。それが害にならない物であればいいですが、むやみやたらと追加するのは避けるべきです。自分の水槽に何が今必要なのか?生体の状態、水草の状態、飼育水の状態を観察し不足している物を追加します。皆が入れているから投入するのではなく、明らかに不足を感じてから入れるべきです。ほとんどはそれらが原因で後に結果が現れます。
 質を求めると確かにきりがありませんが最低限の質というのは確保するべきです。ご自分の水槽環境で使用される物はアクアショップで信用のおける物を使用される事をお勧めします。それだけでもかなり違ってくる事と思います。

Ebita Breed

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