餌におけるたんぱく質の要求量

 我々人間も腹八分目と言われるように魚類もエサの与えすぎは良くない結果を招きます。飽食80%を保ち歩留まりを改善させながら増体させる為にたんぱく質の必要量を計算し給餌を行う。これは養殖での考えです。観賞魚においても飽食80%の重要さは言わずと知れた事で、めだか等の小型魚なら一度に与える量は米粒の半分くらいを目安に、消化時間を考慮し数時間おきに与えるのが理想的です。少量ずつ回数を与えます。

 たんぱく質についてですが海産養魚用などの飼料だと50%になりますがこれは増体率から考慮されています。真鯛やブリ、ふぐなど優に30cmを超える魚類なので成魚になる為増体を考えたんぱく質量や脂質も多くなります。ちなみに錦鯉ですら要求量は30%~35%です。

 何故メダカの餌でたんぱく質が50%が高くて良いという判断が一般化してしまったのか?皆さんもご存知の通り「おとひめ」や「えづけ~る」「リッチ」などの海産仔稚魚用飼料を生産者が使用しているためです。安価に大量に使えてサイクルを早める、彼らにとって都合が良いエサだからです。それを見て良い物だと考えてしまうお客さんが求める基準=たんぱく質50%超えとなってしまいました。売れる物を作るにはメーカーも客のニーズに答えなければなりません。その結果が現況です。
ただし、観賞魚においてそれら基本を度外視することはしばしばあります。見えない虐待というやつですが負荷を掛けて変化を促します。もちろん観賞魚の餌の配合に決まりなんてありません。
 金魚関連だとこの手の知識をお持ちの方が多いですがメダカではエサに関しての知識があまり浸透していない様子です。拘るところって餌くらいしかないので錦鯉にしても金魚にしても結構皆さんそれぞれの拘りがあるものです。メダカに至っては生産者が水産飼料一色、何件か話もしたことがありますが「育つから別にいい、うんちくなんていらん」こんな感じでした。もちろん皆が皆そういうわけではない前提です。

 めだかにも肝臓、腎臓、脾臓、胆のう、当たり前ですが心臓もあります。人間みたいですごいですよね、胃はないですけど。魚類は人間ほど複雑ではありませんが摂りすぎによる代謝疲労や消化不良、糞詰まりなど時には命取りになる場合もあります。成魚になっても高たんぱくなエサを与え続ける事が良い事とは言えません。サイズや種別によって使い分けは重要です。倫理的な思想は置いといて、健康に長く生きてもらうことを目指すのが我々メーカーの使命と思っています。魚だってペットですから。
 たんぱく質を上げる事よりもっと重要な事があるはずです。必要量以上の配合をしても意味はありません。飼料の良い所はあの小さな粒に数十種類もの原料が含まれる完全食である点です。
 当製品である「めだか御膳」は現在リニューアル予定ですが使用原料はオキアミ・エビ等の甲殻類ミールを主体に乳酸菌・納豆菌・酵母・発酵植物性蛋白など腸内環境を整え健康で強い体質づくりを目指すフードとなります。詳しくはまた告知しますがそういった総合食こそエサに求められる事ではないかと私は考えます。
 感覚的なものや思い込み、仲間意識などの感情で飼育する事から脱却し、もう少し論理的・科学的に成熟していけたら上を目指せるのではないかと、錦鯉にしても金魚にしても結局最後はここにいきつく問題です。

Ebita Breed

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