エサについて雑談~その3

夏真っ盛り、各地で祭りが数年ぶりに開催され観光客が戻りつつある今日この頃、皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
コロナの感染者はうなぎのぼりの今日、とにかく医療体制が崩れない程度に推移してくれればいいのですが厳しい感じですね。

さて、そんな世の中ではありますが人間以外の生き物たちには変わらない毎日が続いています。
秋口まではエサ食いも良く金魚、メダカなど魚類は食べさせて冬に備える成長時期でもあります。エビにとっても同じく、水温は高めでストレスは高くなりますが春に生まれた稚エビを育てる大事な時期なのは確かです。水質を気にしすぎて給餌が減ればその分成長も遅れ、大事な栄養素が摂れなければ脱皮不全の原因にもなり死に直結します。
だからこその水質管理、水替えの判断と飼育の醍醐味が肌で感じられる楽しい時期でもあります。
ヒーターやクーラーを利用しようがしまいが季節は流れ生物たちはそれに則って生き続けます。だからこそ季節を考えた給餌、飼育が大事であり、年中同じ繰り返しでは飼育が破綻しかねません。季節に合わせ水替え、給餌、ストレスを和らげる温度管理が大事なのではないでしょうか?
本来、魚類もエビも少量ずつ回数を多く与える事が適切といえます。彼らは食いだめができるような構造はしていません。本来は非常に少ない量を一日に何度も、例えば金魚なら一日に与える同量を数粒に分けて数時間おき、消化を重ねない給餌を行うのが理想です。しかし、我々生き物係としてはそうはいかない生活体系にあり、人間社会に合わせた給餌をするしかありません。その点エビ類は長時間水中保形を保つ長時間給餌が可能なエサとなっています。ばらけやすい圧縮ペレットは崩れが早く全体へいきわたりやすいメリットはありますがその点を考慮した給餌を心がけなければ痩せが生じます。
魚類であれば体型に合わせた給餌も大事です。和金は運動量も多く痩せやすい傾向がありますので琉金やらんちゅう等とは給餌量が若干変わってきます。
一番大事なのが給餌量ではないでしょうか?
いったいどのくらいの量を与えるのが正解なのか?それは成長期であるかどうかにもよりますので一概に言えることではありませんが与える生体の腹、内臓の大きさの目視から判断されるのが良いかと、安易ではありますが標準がとりやすい判断法と思います。例えば、メダカやグッピーなどの小型魚なら米粒半分~1粒程度の量が日常、成長や繁殖を考慮する場合はもちろん増減します。
金魚は非常に難しいですが金魚すくいなどでよく見る5cm前後の和金で一度に与える量は1.8mm径粒で10~15粒、1日2回。
琉金、尾を入れない体長9cmの中型で1.8mm径粒20~30個、1日2回。いずれも痩せない量の増減が必須です。生体による差はかなりありますし、生産者とお店、自称プロでも意見は異なります。正解はありません。たぶんこの量では少なく維持程度と感じる方が多いかもしれません、それは私自身が生産者ではない事も挙げられます。体型を維持するのか?成長をどんどんさせていくのか?それにより増減します。
トラブルの回避もまた大事で、特にエサの与えすぎはとても多い事例です。又、古くなった餌の捨て時、捨てる決心も大事です。もったいない気持ちも分かりますが開封してすでに数年経っている物は処分しましょう。面倒で大入りを買いだめするよりも、多少高くついても1か月に1~2回買う程度なら大した労力ではないかと思います。酸化した油分は長期的に与える事で健康を少しづつ蝕んでいく事は容易に考えられます。

私は毎月エサの製造を行っています。大量生産ができないとも言えます。その為、欠品も多く大変ご迷惑をお掛けする事が多いです。しかし、言い換えれば常に新しいロットが出回っているとも言えます。エビの餌も毎月製造、原料の手配も少量ずつ大量の備蓄はしていません。金魚用に至っては毎週のように製造しています。本来であれば1年に1~2回トン単位で製造するのが普通です。それを数年で期限切れになる前に売り切らなければなりません。当たり前のように次の生産までに残りの在庫はどんどん古くなっていきます。私の場合数十キロ単位でしか製造できない為に良い意味で鮮度が他社より圧倒的に新鮮です。
当方はかなり珍しいタイプの規模と言えます。飼料製造機も小型実験機レベルの機器ですし、ペレット機も超小型(笑)です。何より乾燥機に一度に入る量が少ない為それ以上の製造はいずれにせよできません。

何が正解なのか何が不正解なのか答えが出にくいのがアクアリウム。結局のところ経験の積み重ねと語り継ぎが現在の飼育法です。添加剤など何も入れずとも育つし増やせるし、明確な数値や比較データなど存在しないし、結局言ったもん勝ちで、どんなに間違っていようがそれが独り立ちして正解のふりして歩いてたりします。堂々とすればするほど本物のように見えるもので、まるで宗教と同じような感じですね。情報を鵜呑みにせず、ご自身で答えを出されるのが一番かと思います。

Ebita Breed

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