観賞魚フードの成分や配合について

エビもメダカも金魚も錦鯉も全て雑食性の生き物です。
ところがそれに提供されているエサの多くが「魚粉・小麦粉」で構成されている物が多く見受けられます。
魚食魚ではない観賞魚達に何故かエサのほとんどがこれです。
一般的に”成分を見る”事が重視されていますが製造を行っている者から見るのは何より”使用原料”です。成分も確かに大事な部分もあります。しかし、自然界で成分を気にして食べていける事は100%無く、彼らは本能で目前にある物を喰っているだけです。大事なのは何を食べたのかです。何を入れても成分で判断させる事は都合の良い目くらましとなります。同じ原料でそれぞれの配合バランスを変え、成分数値を変化させ、夏向けだ冬向けだと一喜一憂しています。結局、同じ物を食べさせている事に消費者は気が付いていません。それに気づいている専門店の方はそこを我々に突いてきます。

先頭に記載されている3点~4点ほどがその餌の主原料であり、餌の6割から物によっては9割以上を占めていることすらあります。
メダカや金魚で使用されている水産飼料使用原料のほとんどが”魚粉”魚肉です。皆さんは魚肉を魚食魚ではない魚達に与えていることになります。カマスやブラックバスに植物性の餌を与えても消化できずやせ細ります。しかし、メダカや金魚、エビは雑食性であるが為に魚食に偏った餌料でも生きてはいけます。特にメダカは青水など植物性プランクトンが容器内に存在すればそれだけでなんとかなります。
「やっていけてるからそれでいい」「別に問題は無い」「エサなど何を使っても同じ」皆さん口を揃えて言いますがそれで数十年累代を重ねてきてしまった今が正解である確証などどこにもありません。今ある常識が必ず正解であるわけではないのです。常に常識は覆され、定説や歴史、教科書すら書き換えられています。他と違う事は異端であり、周りに合わせるという悪い意味での日本人気質です。

この配合が多い原因は市場に対し製造単位が多い事とコストと安全性が関係しているのだと思われます。
正直、餌が安すぎる傾向があるのは確かです。あんなに多く入って400円台、たぶんエサの原価は数十円、下手すると数円、袋やラベルの方が高い。一次問屋、二次・帳合など日本商業の仕組みから原価を抑える=安価へと結びつき、それが当たり前の努力となってしまっている。更に一度の製造量が多いので入っている量も多く消費に時間を要します。企業にとって安くて問題を起こしにくいのであれば都合が良いに越したことはありません。その結果が現状です。
小麦粉・魚粉・大豆粕等これだけで7割~9割が占められ+残りの3割~1割で製品の特色が謳われる。その中で同じような物を作って参入したところでどんぐりの背比べであり、全く面白みに欠けるしそれが選択の幅に含まれるのかと言われるとただただ疑問でしかありません。「〇〇養魚場監修!」でも中身は魚粉と小麦粉です。

観賞エビ、メダカ、金魚、錦鯉、いずれも元は自然界で生きていた生物から人が作り出したペットです。元々淡水性の生物の多くは食べる物が限られる為に、植物性プランクトン、水草、甲殻類、昆虫や貝類、口に入る稚魚や魚卵、動物の死体など様々な物を食べてきました。特に多く存在する植物性の傾向が強い事が特色です。
元々そういった食性をしてきた訳ですから、それを基本とした設計が正解により近い物と私は考え、餌の設計を考察しています。残念ながら同じ物を使用する事は叶いません。しかし、それに近いもので構成させる事は可能です。
現状だけが正解ではなく、前述した内容も踏まえて現在使用されているエサの選択をしていただきたい。そういった疑問を持った方々や意見を聞いて賛同していただける方の新たなエサの選び先として検討いただけると幸いです。

Ebita Breed

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