硝化の再定義

完全アンモニア酸化菌について過去記事でも触れておりましたが何気に検索して見つけた論文に非常に有意義な事が書いてありました。
アンモニア→亜硝酸→硝酸塩というのが一般的な情報として知られており、それに則ったバクテリア剤や飼育水の作り方等我々アクアリウムを嗜む者にとって大事な知識でありました。
しかし、アンモニア→硝酸塩にしてしまう完全酸化細菌(comammox)が近年発見され、かつての硝化を見直さなければならなくなりました。
完全なアンモニア酸化剤(Commammox)の遍在性と多様性。
検索して出てきた論文にはこう記載されています。
「水道水サンプルおよび沿岸水サンプル中の比較的高い割合のコマモックスが確認された。」とあります。さまざまな環境においてこのComammoxは存在しており、場所によっては我々が知っているアンモニア酸化菌よりも多く存在している事が分かったそうです。
もちろんの事、全ての環境においてそうであるとは言えないでしょう。しかし、水槽に水を入れて数週間~数ヵ月にて飼育水が出来上がるのはすでにそれら細菌が存在し、それらを安定化させることで成り立っている事にほぼ間違いは無いという事です。そして、我々がかつてそうであったと思っていた情報はそろそろ再定義するべきではないでしょうか?
未だに過去情報を元に飼育を語るというのはこれから始めるであろう方々にとって失敗のもとを広げているに過ぎないとも言えます。
現在様々な商品が売られています。嘘か本当か分からない、使ってはみたが変化が無い分からない。自作した溶液を水槽に入れている方もいます。良い菌も悪い菌も同じ物をエサとして増え、必ずしも良いとされる物が増えているとは限りません。むしろ雑菌が大体を占めているのがほとんどです。エビ類や金魚等はそれら細菌による感染症に非常に弱く、我々エビ飼いは水槽へむやみに手を入れるなというくらいです。

飼育水作りはアクアリウムを始める第一歩であります。その一歩について正しい知識を持って行うのと行わないのとでは差が出てくることでしょう。特にバクテリア関連については日々情報が更新されかつての情報が訂正されている事もあります。日々それらの情報を得、良い方向性を維持できれば良いのではないでしょうか。

Ebita Breed

ebitabreed.com

小さなアクアメーカーEbita Breed