販売される謳い文句である”水質改善”や”水質浄化”それらのほとんどが有機物を含むスラッジなどを分解する物が多く見受けられます。それらを入れる事で彼らが増え、彼らが出した物を利用し奴らが増え・・・という感じで一連の流れが起こります。いや、起こるかもしれないと言ったほうが正しいでしょう。必ずしもこの流れは起こるものではなく置かれる環境に左右されます。そのほとんどは環境が合わず単に浮遊しゴミを増やしているに過ぎない場合があります。その為、入れたけど良く分からない、特に変わらないという事象が多いのです。そうなる場合もあればそうならない場合もあり、得られる結果が1割でも2割でもあればそれは立派な水質改善剤となってしまいます。
それその物に実は改善する作用はほぼありません。それを担う一つの働きをする可能性がある物を入れる作業に過ぎないという事です。風が吹けば桶屋が儲かるというわけです。
入れても入れなくても”良くなった!”という人が一定数いればそれは効果があったと言えてしまいその存在を許す事につながります。そうやって商品として市民権を獲得していくのです。
疑似科学は情報弱者を言いくるめやすくそこに利益を生みます。神道が根付いている日本では宗教と文化の境が曖昧で神がかり的な要素も受け入れやすい傾向があります。人が求める効能や効果があるかもしれない!という願望を求めてしまうのです。
メダカ界隈で培養して使用されている赤い水もその意味合いが変わり続け今ではメダカの餌となるものの餌とした理由づけに変わっています。人はやってきたことに意味はあったんだと次々と理由付けをしていきます。かつては発生させる方が難しい硫化水素を消し、まるで硝化菌のような扱いで水質改善するという謳い文句でした。この手の菌を使用した物が根付いたのはある宗教団体が関わっている背景があります。
海外では枯草にイーストを入れて最終的に出てきた生物を魚のえさにする方法がありますが結局それと大して変わりありません。商魂たくましい日本だからこそ受け入れられた背景があります。
アクアリウムでも多くを占めているのはバチルス属の類ではないでしょうか?納豆菌に代表される日本人なら誰しも知っている菌かと思います。どこにでもあり誰にでも利用しやすく先に書いた世界中で利用されているといえる菌です。この類も決して良い菌だけではありません。人にとって有用なものもあれば食中毒を起こすセレウス菌や生物兵器として利用される炭疽菌もその仲間です。あらゆる雑菌は同じ物を利用して同じように増えていきます。皆さんが狙った菌だけ培養しているつもりでも実際は様々な菌が同時に培養されています。ボトル内には、入れた物由来の菌も含まれれば、手に付着したものや空気中を彷徨う菌も入り込みます。
こういった雑菌の類は健康体であればさほど問題になりません。しかし、何かしら体調を崩し弱体化した状態では感染症を起こす可能性があります。ご自分でされる場合はそういったリスクを抱えているという事を知った上で行われる事をお勧めします。素手で触れず、目をこすったり脇や股を掻いたりしないよう気を付けましょう。自分だけならいいですが家族、恋人、友人と触れ合う機会があるなら尚更気を付けるべきです。
上手に知識を得たうえで使用されればそれは一つのアイテムとして成り立ちます。私も何でも否定している訳ではなく、きちんと知識を持ったうえで使い、分からなければご自分でどうこうの前に専門店できちんとしたアイテムを購入された方が得策であるとお伝えしたいのです。お店で販売されている物全てが良いとは言えませんが少なくとも販売に至る経過をたどっている事に違いはありません。お店側も意味のない物を売り続ければ閉鎖のリスクを抱えますから使用して意味のある物をチョイスしているはずです。ネット・個人の動画配信など中には有意義な情報もありますが残念ながらそのほとんどは個人がたまたま得た個人的な見解です。全てを鵜呑みにせず、情報は厳選されなければ意味のない物に意味を付加してしまう結果となり、独り立ちしてしまうとどうにも止められません。
近年はまさに情報戦です。嘘でも本当でも情報に流されてしまうのを皆さん感じているかと思います。昔はそれがTVでしたが今ではほぼインターネットです。TVを見る世代が寿命を迎え、いずれネットが情報源の全てになりつつあります。この先は周りに、ネットに流されない自分を持ち続ける事が大事なのではないでしょうか?話が飛躍してしまいましたが肯定、否定どちらの意見も検証したうえで判断されるのが宜しいのではないでしょうか。最初に目にしたものが必ずしも真実とはかぎらないのですから。